アウトドアを愛する皆さんに欠かせない大切な相棒、それが腕時計です。過酷な環境下で命を守り、未知なる領域への挑戦をサポートしてくれる頼もしいパートナー。しかし、アウトドアウォッチ選びは意外と奥が深いもの。単に高機能であればいいというわけではありません。
防水性や耐衝撃性は当然として、自分のニーズに合った機能を備えているか。デザインや装着感は好みに合っているか。ブランドの歴史や哲学に共感できるか。アウトドアウォッチ選びには、そうした様々な観点からの慎重なアプローチが欠かせません。
そこで本記事では、アウトドアで使える腕時計の選び方から、おすすめのブランドやモデルまで、詳しく解説していきます。アウトドアウォッチの基礎知識から最新トレンドまで、ここを読めばすべてがわかる。そんな内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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アウトドアに適した腕時計の選び方
アウトドアでの過酷な環境に耐えうる腕時計を選ぶためには、以下が重要なポイントとなります。
防水性能
アウトドアウォッチに求められる最も基本的な性能が、高い防水性能です。雨や水しぶきはもちろん、泳いだり潜ったりする際にも使用できる防水レベルが必要不可欠です。
一般的な生活防水は3気圧程度ですが、アウトドアで安心して使うなら10気圧以上の防水性能を備えたモデルがおすすめです。
特にマリンスポーツで使用する場合は、20気圧以上の防水性能が求められます。ダイビングで使用するなら、200m防水のダイバーズウォッチ規格を満たしたモデルを選びましょう。
また、防水性能は経年劣化するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。2〜3年に一度はパッキンなどの交換を行い、防水性能を維持することが長く使い続けるコツといえます。
耐衝撃性
アウトドアで腕時計を使用する際は、岩場や木の枝などに時計をぶつける可能性が高くなります。そのような予期せぬ衝撃から時計を守るためには、優れた耐衝撃性が求められます。
耐衝撃性を高めるために、時計のケース素材には軽量かつ丈夫なチタンやステンレス、あるいは超硬質のセラミックなどが使われています。また、アウトドアウォッチの多くは、硬質ミネラルガラスやサファイアガラスを採用。頑丈な風防ガラスが、アクティブに動く腕を守ります。
長時間バッテリー
アウトドアでの長時間の使用に耐えうるバッテリー性能も、アウトドアウォッチに欠かせない要素です。特に、数日から数週間にわたる長期の山岳探検やトレッキングでは、途中で時計のバッテリーが切れてしまっては大変な困り事になりかねません。
この課題に対応するため、多くのアウトドアウォッチは、1回の充電で長期間駆動できる大容量バッテリーを搭載しています。たとえばガーミンのfēnix(フェニックス)シリーズは、GPS機能を使用しない状態で最長2週間以上の連続稼働が可能です。ソーラー充電機能を備えたモデルなら、太陽光で継続的に充電できるため、よりロングライフな使用が期待できます。
キャンプ向けの機能
キャンプシーンで活躍するアウトドアウォッチには、暗闇での視認性と多彩なセンサー機能が重宝されます。夜間の装備準備やトイレ、就寝時にも時刻を確認できる明るいバックライトや、LEDライト機能を搭載したモデルは、手元を頼りなく照らしてくれる頼もしい存在になるでしょう。
また、日の出・日の入り時刻を自動計算する機能や、天体の動きをグラフィカルに表示する機能を備えたモデルもあります。カシオのPROTREKシリーズには、太陽や月の位置、月齢、タイドグラフなどを表示できるトリプルセンサーバージョンがあります。自然と一体になれるアウトドアウォッチといえます。
さらに、スマートウォッチタイプのアウトドアウォッチなら、スマホと連係して天気予報やスケジュール管理、通知機能なども利用可能です。
登山向けの機能
登山やハイキングで活躍するアウトドアウォッチには、高度計、気圧計、コンパス、温度計などの多彩な機能が求められます。標高や気圧の変化から天候の急変を予測したり、方角を確認したりすることで、安全で効率的な登山が可能になります。
また、GPSを内蔵したモデルなら、現在地の把握や移動軌跡の記録、ルートナビゲーションなども可能です。フィンランドの時計メーカーであるスント の Ambit シリーズは、GPSによるルート 機能と、50時間以上のバッテリー駆動を実現。長距離トレイルでも力を発揮します。
ただし、高機能なアウトドアウォッチは、その分操作が複雑になりがち。事前に取扱説明書をよく読み、実際に操作して慣れておくことが大切です。
ダイビング向けの機能
ダイビングで使用するアウトドアウォッチには、200m以上の防水性能と、水中環境で役立つ専用の機能が求められます。水深計、残留窒素量を示すインジケーター、減圧時間の自動計算など、ダイバーの安全を支援する多彩な機能を搭載したモデルが数多く存在します。
たとえば、セイコーのプロスペックスマリンマスターは、飽和潜水用のヘリウムガス排出バルブを備えたプロフェッショナルモデルです。1000mという驚異の防水性能は、過酷な水中環境でも使用できる高い信頼性を物語っています。
また、ダイビングコンピューター機能を搭載した腕時計型のダイブコンピューターも人気です。フィンランドのスントD5は、多彩なダイビングモードと高性能なアルゴリズムを備え、レクリエーションダイバーからテクニカルダイバーまで幅広いニーズに対応。ログデータをPCやスマホと同期できる点も便利です。
おすすめアウトドア時計モデル
コルム アドミラル
海を愛する紳士のための時計、それがコルムのアドミラルです。1960年代に誕生したこのモデルは、ヨットレースに挑む艇長の頼れる相棒として、長きに渡って愛され続けてきました。私はこのアドミラルに、海の男の誇りと情熱、そしてスポーツマンシップ溢れる気品を感じずにはいられません。
アドミラルが持つ最大の魅力は、12面体のケースデザインでしょう。まるで海を切り裂くヨットの鋭利なフォルムを思わせるそのシルエットは、海の男の力強さと優雅さを見事に表現しています。
海原を駆け抜ける疾風のように、アドミラルは時の中を雄々しく進んでいく。そんな波乗りのロマンを感じさせてくれる至極の1本なのです。
そしてダイアルに配されたナノチューブ構造。まるで航海士の望遠鏡を覗き込んだかのような、無限の広がりを感じさせる緻密な造形美。ロジウム仕上げのアワーマーカーとアップライトのアラビア数字が、精悍な印象を引き立てます。高級ヨットのデッキを思わせる木目調のダイアルリングが、海の男の粋な遊び心を感じさせてくれます。
海の男たちが夢見た、究極の時計。それがコルムのアドミラルなのです。
海の男たちの夢が結晶したダイバーズウォッチの金字塔、それがオメガのSeamaster(シーマスター)です。1948年の誕生以来、海洋探検家や海軍特殊部隊など、海という未知なる世界に立ち向かう勇者たちを支え続けてきました。
Seamasterが持つ最大の魅力は、海の深淵をも照らし出す圧倒的な防水性能でしょう。300m防水を誇るそのタフネスボディは、まるで深海という未知の領域に飛び込む、冒険者の鋼鉄の意志を体現しているかのよう。1970年代、Seamasterを腕にしたジャック・イヴ・クストー率いるチームが、海底居住実験に成功したことは有名な話です。
そしてマットブラックダイアルに輝くスーパールミノバインデックス。漆黒の闇に浮かび上がるその姿は、まるで深海に光を灯す希望の灯台のよう。セラミックベゼルとヘリウムエスケープバルブが備える堅牢さは、オメガが誇る最高峰の技術の結晶です。
まとめ
アウトドアで使える腕時計選びは、単なるファッションアイテム以上の意味を持ちます。過酷な環境下で自分の命を守り、冒険を力強くサポートしてくれる相棒を見つけること。それはアウトドアを愛する者にとって、欠かせない大切なプロセスなのです。
アウトドアウォッチに求められる条件は数多くありますが、何より大切なのは自分のニーズにぴったりと合う一本を見つけることです。ブランドの歴史や哲学を知り、実際に手に取って感触を確かめる。そうした丁寧なアプローチこそが、理想の相棒との出会いを導いてくれるはずです。
腕時計と共に思い出を刻んでいくアウトドアウォッチは、冒険の日々を共に歩む、かけがえのないパートナーとなるのです。
自分に合ったアウトドアウォッチを見つけることで、アウトドアライフはより充実したものになるはず。皆さんも、ぜひ自分だけの運命の1本を見つけて、大自然の中で心ゆくまで冒険を楽しんでください。