トンダコレクションGPHGの受賞歴もあるラグスポ時計といえば、トンダGTやトンダグラフGT。パルミジャーニ・フルリエ(Parmigiani Fleurier)が誇るコレクションです。
その躍動感あふれるデザインは、多くの時計玄人たちから愛されています。最近では、「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ」(GPHG)2020年、2022年に下記の賞を受賞しました。
(GPHGとは時計産業の中では最も名誉のある賞の一つで、時計界のアカデミー賞と呼ばれています)
GPHG 2020「イノベーション賞」:ヒジュラ パーペチュアルカレンダー
Innovation Prize is awarded to Parmigiani Fleurier Hijri Perpetual Calendar@parmigianiwatch#parmigiani #parmigianifleurier #gphg #gphg2020 pic.twitter.com/y4Zvo0ZfJD
— GPHG (@fondationgphg) November 12, 2020
GPHG 2022「レディース賞」:トンダ PF オートマティック 36mm
To be awarded at the Grand Prix d’Horlogerie de Genève is truly an honour. The Tonda PF Automatic is the purest embodiment of the brand’s spirit, reinvented with a diameter of 36mm.https://t.co/qiL6YcKKzV#ParmigianiFleurier #TimeIsFlying #TondaPF pic.twitter.com/7DRRtSwbKC
— Parmigiani Fleurier (@parmigianiwatch) November 17, 2022
この記事では、まず「ラグスポ」時計について簡単にご説明します。その後、トンダコレクションの由来とコレクションが誇る数々の逸品について解説しましょう。
トンダを含む女性向けハイブランド時計のおすすめコレクション解説はこちらの記事です。
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トンダコレクションの由来
トンダコレクションの「トンダ」は、「円形のキャンバス」を意味するイタリア語に由来しています。この円形のキャンバスは、ルネッサンス期に芸術画を描く際に用いられたようです。
独創的な数々の作品がキャンバスに描き出されました。トンダコレクションにも丸型の文字盤という円形のキャンバスがあります。その中で、パルミジャーニ・フルリエの芸術が変幻自在に生み出されています。
トンダコレクションは、ブランドの美学を様々な角度から描き出された名品と言えるでしょう。
パルミジャーニ・フルリエの歴史や特徴については、以下の記事で特集していますのでご覧ください。
「ラグスポ」時計とは
ラグスポ時計とは、ラグジュアリー・スポーツウォッチの略です。オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」やパテック・フィリップの「ノーチラス」などが有名でしょう。
パルミジャーニ・フルリエでは、トンダコレクションがこのジャンルに入ります。ステンレスベルトやラバーベルトが標準装備なので、日常様々なシーンに対応できる時計です。
高級時計のエレガントさに実用性をプラスしたスポーツウォッチとして注目を集めています。
トンダコレクションを代表するラグスポ時計の一覧
トンダコレクションは「トンダ1950」、「トンダGT」や「トンダグラフGT」を世に輩出してきました。これからコレクションが誇るラグスポ時計をご紹介します。
トンダ1950:ミシェル・パルミジャーニ氏の生まれた年を記念にしたコレクション
トンダ1950モデルは、ミシェル・パルミジャーニ氏の生まれた年を記念としたコレクションです。「1950」をコレクションネームに、自身が築き上げた歴史と技術が詰め込んだ時計にしました。
ブランドの根本的なビジュアルアイデンティティは、すっきりとした美しいラインです。トンダ1950では、そのアイデンティティを大切にしつつシンプルなフォルムの中に個性を光らせています。
トンダ1950の特徴
トンダ・コレクションの心臓部、プラチナ製自動巻きマイクロローターは、独自の技術で誕生しました。それにより、極めて薄い世界でのムーブメントのゼンマイ巻き上げを可能とします。
最近では、ムーンフェイズ(月の満ち欠けが分かる)機能を搭載したモデルも加わりました。他にも、トゥールビヨン機構を搭載したモデルも発表され一層洗練された印象を与えます。トンダ1950は今でも進化を続けています。
トンダGT:ヴァシュロン・コンスタンタンを手掛けたデザイナーを起用したラグスポスタイル
トンダコレクションのトンダGTの制作に当たり、ディノ・モドロ氏が起用されました。
ディノ・モドロ氏は、下記の作品を手掛けた有名なデザイナーです。
- ヴァシュロン・コンスタンタンの初代「オーヴァーシーズ」
- コルム「ゴールデンブリッジ」
これにより、パルミジャーニ・フルリエの歴史に新しいデザインの一コマを刻みました。
トンダGTの特徴
トンダGTの時計は様々なシーンでの使用を想定した2種類のバンドが標準装備されています。
- フルメタルブレスレット
- ラバーベルト
ラグジュアリー時計を多く手掛けてきたブランドスタイルとは一味違う、アクティブな輝きを時計に与えました。
強く頑丈なフォルムのケースには45時間継続稼働のパワーリザーブ能力が備わっています。
ギョーシェ装飾の施された特殊文字盤には視認性の高いビッグデイトを採用しています。
(ギョーシェ装飾:見た目の美しさに加え、光の反射を抑えて文字盤の視認性を高める役割を持つ、実用的な装飾のこと)
またスモールセコンドには特殊な秒針表示方式が採用されています。
ユニークな視覚効果を持つ小窓が他とは一味違い格差をもたらす特別な時間を示してくれるでしょう。
トンダグラフGT:GPHG 2017「クロノグラフウォッチ賞」のモデルを引き継ぐラグスポ時計
トンダGTと同時に発表したトンダグラフ GTをご紹介します。冒頭で述べたGPHG 2017「クロノグラフウォッチ賞」のモデルを引き継いだラグスポ時計です。
時計の母体のケースが、この受賞モデルから引き継がれています。トンダGTをベースに、文字盤にクロノグラフを取り入れたラグスポウォッチとして親しまれています。
スモールセコンドや視認性の高いビッグデイトはそのままですが、クロノグラフを導入する事で一層スポーティーな一面を発揮します。パルミジャーニ・フルリエの時計技術のこだわりとして、カレンダー機能とクロノグラフ機能を同一空間に共存させています。
こうしてデイリーユースのラグスポとして高い評価を受けるトンダコレクションは、現代においても新作展開を続けてきました。
40代男性におすすめの時計モデルとしてご紹介しています。
パンダダイヤルのモデルも展開中
上記の画像のように、トンダグラフGTはパンダダイヤルのモデルも展開中です。異なる2色でクロノグラフのサブダイアルとメインダイヤルとを色分けしています。
まさに、1960~70年代に人気が高まったレーシングウォッチを感じさせる伝統的デザインです。伝統を感じさせながらも、高度な技術でこそ実現できる機能的かつ高精度のラグスポスタイルが誕生しました。
トンダPF:「GPHG 2022」(ジュネーブ ウォッチ グランプリ2022)レディース部門で受賞
上の画像、「トンダ PF オートマティック( TONDA PF AUTOMATIC)」36mmは「GPHG 2022」(ジュネーブ ウォッチ グランプリ2022)レディース部門で受賞しました。
従来モデルより少し小型、細めの手首に理想的な36mm径のヴィンテージテイストを取り入れたモデルです。
同時期に発表された、トンダ PF GMT ラトラパンテと共にさりげないペアルックで大切な時間を刻んでください。
ペアウォッチとしてとしても楽しめる「トンダ PF オートマティック」「トンダ PF GMT ラトラパンテ」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
トンダコレクションは匠の技を近代デザインに応用したラグスポ時計
トンダコレクションのラグスポ時計は、匠の技を近代デザインに応用したラグスポ時計です。
パルミジャーニ・フルリエは、創業以来、伝統を守る強い想いで時計の修復に挑戦し続けました。
1969年に時計業界を巻き込んだクオーツショックにも揺らぐことなく複雑機構の開発に務めてきました。
その真摯な挑戦により、複雑機構の時計の技術とノウハウを自らのものにすることができたのです。
この匠の技を近代デザインにも応用することで、「トンダコレクション」という大作が生まれました。
愛称パンダのデザインなど、老若を問わず親しみやすいデザインの時計として今でも愛され続けています。