コラム

流行ではなく個性を選ぶ、コルムというブランドの哲学ーTHE ART OF WATCHES CORUM JOURNAL Vol.2

THE ART OF WATCHES

Every Watch Tells a Story. Every Story Shapes a Life. ~ 一本の時計には物語がある。そして、その物語は人生を豊かにする。

高級ブランド時計のご試着・ご購入は、日本の輸入高級時計・ジュエリーシーンを50年以上牽引してきたオーナー創業のオールドニューインク銀座にお気軽にご相談ください。

CORUM JOURNAL Vol.2

流行ではなく、個性を選ぶ。コルムというブランドの哲学

70年以上変わらない「独創性」という価値。


「売れる時計」はある。 「忘れられない時計」は、意外と少ない。

人気ランキングに並ぶ時計もある。資産価値で語られる時計もある。それでも、何年経ってもふと頭に浮かぶ時計となると、思いのほか数は限られてくる。

コルムは、そんな「忘れられない時計」を作り続けてきたブランドである。


1955年、まだ若かったブランドが選んだ道

1955年、スイス時計界に、コルムという新しい名前が加わった。長い歴史を持つ老舗が並ぶ業界の中で、コルムはむしろ若いブランドだったと言っていい。

けれど、コルムは最初から、一つの姿勢を持っていた。それは、「他社と同じことはしない」という姿勢である。老舗たちが積み上げてきた伝統を追いかけるのではなく、自分たちにしか作れないものを探し続ける。その選択は、当時としては決して簡単なものではなかったはずだ。それでもコルムは、その道を選んだ。


独創性というブランドDNA

長年、高級時計を扱っていると、不思議な瞬間に出会うことがある。ブランド名を見なくても、「あ、これはコルムだ。」と分かってしまう瞬間である。

ケースの形。文字盤の発想。ムーブメントの見せ方。コルムは、時計そのものよりも、その「発想」にこそ個性が宿っているブランドなのだと思う。だから、似ている時計がほとんど存在しない。

ブランドロゴを隠しても、コルムはコルムだとわかる。それほどまでに、デザインの隅々に「らしさ」が宿っている。これは、時計業界において決して当たり前のことではない。

それは偶然ではなく、創業以来、コルムが守り続けてきた哲学そのものである。

本物の金貨をそのまま文字盤に用いたコインウォッチ。ムーブメントそのものを大胆に見せるゴールデンブリッジ。丸みを帯びた個性的なフォルムをまとうバブル。そして、海を愛する人たちのために生まれたアドミラル。

どれも、一目見ただけで「コルムだ」とわかる時計ばかりである。まるで美術館に並ぶ作品のように、一本一本が、はっきりとした個性を放っている。


時計は、工芸品であり、芸術品でもある

コルムの時計を眺めていると、ふと気づかされることがある。それは、時計というものが、単なる工業製品ではないということだ。

歯車を組み上げ、精緻な装飾を施し、ケースの隅々にまで手を入れていく。その工程は、工芸品と呼ぶにふさわしい。そして、ゴールデンブリッジのように、機械そのものを美しく見せることに挑んだムーブメントは、もはや芸術品と呼んでも大げさではないだろう。細い一本の橋のようなムーブメントが、文字盤の中央を静かに横切っていく。その佇まいは、時計というより、小さな彫刻に近い。

創業までの流れ
創業者ルネ・ヴァンヴァルトは1933年、18歳でパテック・フィリップに入社し、その後オメガで名作「シーマスター」の開発に携わった人物です。ブランドの前身となる時計メーカー自体は1924年、叔父のガストン・リースがスイス時計産業の聖地ラ・ショー・ド・フォンに設立していました。

1955年、コルム誕生
1955年、ヴァンヴァルトが叔父ガストン・リースとその妻ジュリエットとともに、ラ・ショー・ド・フォンでコルムを立ち上げました。ブランド名はラテン語で「絶対多数」を意味する”Quorum”に由来し、トレードマークの鍵は最初のモットー「完全な時への鍵」に由来します。

革新的なモデルの数々
コルムは独創的なデザインで知られ、代表作には以下があります。

  • 1964年発表の「コインウォッチ」(米20ドル金貨に薄型ムーブメントを収めたモデル)
  • 1966年発表の「ロムルス」(ベゼルにインデックスを刻印した当時斬新なデザイン)
  • 1976年発表の「ロールスロイス」、1986年発表の「メテオライト」
  • パーツを一直線に並べたバゲット型ムーブメントが美しい「ゴールデンブリッジ」や、ドーム型サファイアクリスタルが特徴の「バブル」

評価とコレクション
2000年には時計業界のノーベル賞ともいわれるガイア賞を、起業家として初めて受賞しています。現在は「ヘリテージ」「アドミラル」「ゴールデンブリッジ」「バブル」「ラボ」の5つのコレクションを展開しています。


オールドニューインクストーリー

「気づけば、コルムを勧めていました。」

不思議なことがある。「人と少し違う時計が欲しい。」そう相談してくださるお客様には、気づけばコルムをご紹介していることが多い。

決して派手な時計ではない。知名度だけで選ばれるブランドでもない。それでも、実際に手に取り、じっくりと眺めるうちに、「これがいい。」とおっしゃる方が少なくない。

時計をご紹介しているつもりで、実は私たちが伝えているのは、時計の向こう側にある「価値観」なのかもしれない。


小さなお話

スタッフが、初めてコルムを見た日

最初に見たとき、正直に言えば、「なんて変わった時計なんだろう。」そう思った。

ところが、その印象は不思議なくらい消えなかった。翌日も、頭のどこかに残っていた。一週間経っても、ふとした瞬間に思い出した。そして何年経った今も、なぜかコルムだけは記憶から離れない。

毎日、たくさんの時計を見ている仕事である。それでも、コルムだけは違った。

今思えば、それこそが「独創性」ということだったのかもしれない。


時計は、時間を知るためだけに存在するものではない。そのブランドが何を信じ、何を美しいと思い、どんな人に届けたいのか。その哲学までもが、時計という小さな器の中に、静かに宿っている。

コルムは、70年以上変わることなく、「人と同じであること」よりも、「自分たちらしくあること」を選び続けてきた。だからこそ、流行がどれだけ移り変わっても、その魅力は色褪せない。

人と違う時計ではない。人と違う人生を選ぶ人の時計である。


エンディング

「人と違う」は、褒め言葉になる。

高級時計を選ぶ理由は、人それぞれである。有名だから。資産価値があるから。歴史があるから。もちろん、それも素晴らしい選び方だと思う。

でも、「誰とも同じじゃないから。」そんな理由で時計を選ぶ人がいても、いいのではないだろうか。

コルムは、そんな価値観に、ずっと寄り添ってきたブランドである。

コルムには、代表作と呼べるモデルがいくつもある。

海を象徴するアドミラル。芸術作品のようなゴールデンブリッジ。大胆な発想から生まれたバブル。

次回は、それぞれのモデルがどのような背景から生まれ、どんな人たちに選ばれているのかを、一本ずつご紹介していきたい。

前回:海を愛する人がコルムに惹かれる理由-THE ART OF WATCHES CORUM JOURNAL Vol.1

CORUM JOURNAL

Vol.1 海を愛する人が、コルムに惹かれる理由。
Vol.2 流行ではなく、個性を選ぶ。コルムというブランドの哲学。
Vol.3 コルムを選ぶということ。代表モデルが語る、それぞれの個性。

コルムのご試着・ご購入は、日本の輸入高級時計・ジュエリーシーンを50年以上牽引してきたオーナー創業のオールドニューインク銀座にお気軽にご相談ください。

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